#01_緩和ケア病棟での初めての出会い③

公開:2025.02.19

緩和ケア病棟での初めての出会い ナースライフミックス 連載「別れの場所で出会うこと」
みなさん、緩和ケア病棟って知ってますか?
病気そのものに対する治療ではなく、病気のつらさをコントロールしながら日常生活を送ることを目的とした病棟です。
ここでは「お別れ」も多く経験しますが、その一方で、さまざまな患者さんの人生観、価値観、希望との「出会いの場所」でもあるんです。
そんな緩和ケア病棟で働く私が、ここでの出会いの話をお届けします。

第1回目は、私の原点となった「緩和ケア病棟での初めての出会い」のお話です。

<ここまでの話>
>>緩和ケア病棟での初めての出会い①
>>緩和ケア病棟での初めての出会い②


何が正解だったのか思い悩む私だったがAさんの状態は徐々に悪化していき死期が近づいていた 最期は急に訪れる 部屋に訪室するとAさんの呼吸は止まっていた 緩和ケア病棟ではモニターもないので訪室した時に息が止まっている事もあり急な看取りも少なからずあるが自然な形でお看取りをする 緩和ケア病棟での初めての看取りは初めての担当患者さんとなった
モニターがない中での初めての看取り 今までモニターに頼り過ぎていたのかもしれない・・・なんでもっと早く気付いてあげられなかったんだろう 一緒にそばにいてあげられなかったんだろう 家族も呼べずに一人で逝かせてしまった 症状ひとつひとつと向き合いきれていなかったのかも・・・ 後悔が止まらなかった ほどなくしてAさんを迎えに遠方の家族が来られた
本当によく頑張られました どんなお父様だったんですか?お酒が大好きでとても優しい父でしたよ このことを先輩看護師に話すと そっか・・・お水取りをお酒でしてみる?お水取り=故人の口に水を当てること 末期の水とも呼ばれる お父さんの大好きなお酒だよ 娘さんがAさんの口にお酒を当てご帰宅となった 知識や技術も全然足りなかった・・・患者さんやご家族に寄り添う柔軟な看護や提案ができる看護師になりたい! 緩和ケア病棟での治療や死との向き合い方の難しさを改めて感じた 私にとって今も忘れられない出会いだ

緩和ケア病棟での初めての出会い【完】

原作:よん
漫画:てらいまき
よん よん

緩和ケアの知識や大切さを知ってもらいたくInstagramを開設。イラストレーターとしても活動している。趣味は旅行、買い物、食べること、ダイビング

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