看護師がひっそり続ける「孤高の明け飯」SNS投稿

公開:2025.05.08

夜明けとともに紡がれる、看護師たちの物語。
長い夜勤を終え、スクラブを脱ぎ、疲れた足を引きずりながら帰路につく。疲れを癒すのは、夜勤明けの一食「明け飯」。

「明け飯」には、単なる空腹を満たす以上の意味があるのかもしれません。
安堵感、達成感、時には寂しさや切なさ。様々な感情が交錯する、特別な時間。

特集「明け飯のはなし」では、看護師の皆さんの心に刻まれた「夜勤明けのご飯」にまつわるエピソードをお届けします。

第7回は、小児科病棟看護師の看護師として勤務する30代・やなさんのエピソードです。

看護師がひっそり続ける「孤高の明け飯」SNS投稿

私は今、『孤高の明け飯』と称したシリーズをSNSに投稿しています。

この取り組みのきっかけは、COVID-19の流行でした。外出自粛で飲食業界が大打撃を受けている状況を目の当たりにし、なにか自分なりに貢献できないかと考えたのです。

実は私、ひとりで食事をするのに全く抵抗がないタイプ。焼肉だってひとりでふらっと行けちゃいます。

だから、パンデミック下での飲食店のパーテーションも気にならないし、食事中に話す相手がいなくても平気でした。

コロナ前後で、私の食生活には大きな変化がなかったんです。

そんななか、ふと思いついたのが、自分の食事をSNSに投稿するアイデアでした。

『孤高(孤独・孤食)』をテーマにした明け飯のシリーズとして始めたこの取り組み。フォロワー数はそれほど多くないので、影響力は微々たるものかもしれません。でも、飲食店で食べる食事の魅力が少しでも多くの人に伝わり、「自分も食べに行きたいな…」「今日は買って帰ろうかな」と思ってもらえたら嬉しいのです。

それに、仕事終わりは誰だって疲れているもの。誰にも気を使わずに食事を楽しむ。それもひとりで食べる魅力の一つだと思うんです。そして、私たち看護師の間では、こんな言葉が密かに流行っています。

「明け飯は何を食べても0カロリー!」なんて(笑)。

今では、飲食業界も以前のように営業できるようになりました。もうこのシリーズを続ける必要はないのかもしれません。

でも、どうやら楽しみにしてくれている人もいるみたいで。

なかには、私の投稿を見て牛丼チェーンの新作を知る人もいるとか…。

そんな小さな理由で、ひっそりと今も投稿を続けています。

企画:ナースライフミックス編集部
編集:白石弓夏
イラスト:こんどうしず
Nurse Life Mix 編集部 Nurse Life Mix 編集部

Nurse Life Mix 編集部です。「ライフスタイル」「キャリア」「ファッション」「勉強」「豆知識」など、ナースの人生をとりまくさまざまなトピックスをミックスさせて、今と未来がもっと楽しくなる情報を発信します。

Share
FacebookTwitterLine
ページのTOPへ