#11「絶飲食」を英語で説明

公開:2025.03.13

#11 絶飲食 ナースライフミックス 連載「これ、英語で言いたい!」
鈴木さんは、東京の国際的な病院に就職した3年目ナース。外国人の患者さんがよく来るこの病院で彼女は度々、英語での対応に困ってしまいます。
しかし、同じ病棟に心強い味方が!ナオミ先輩はイギリスの病院に勤めたことがあり、そんな鈴木さんにいつも助け船を出してくれる頼れる存在です。

今回、明日10時から手術を控えるクリストファーさんに21時から絶飲食であることを伝えたい鈴木さんですが……
オーストラリア出身 Christpherさん「OK, thank you.」3年目ナース鈴木さん「(21時から絶飲食だから…)」
「You will be NPO from 9pm tonight.(合ってるかな?)」「What's NPO?」)(通じてない?!)
バイリンガルナース ナオミ先輩「絶飲食は深く考えずに食べたり飲んだりできませんって英語で言えばOK!」「(なるほど)You can't have anything to eat or drink from 9p.m.」
今回の “英語で言いたい!”フレーズは……

You can’t have anything to eat or drink from 9p.m.
(21時から絶飲食です)

現役海外ナース きうい のワンポイントアドバイス!

きうい きうい
日本でも医療者同士で「絶飲食」を意味する医療用語は“NPO(Nothing per os)”が使われますが、アメリカで使われる医療専門用語です。一方、イギリスではの“NBM(Nil by mouth)”が医療用語として使われています。

しかし、“NPO”も“NBM”も患者さんには通じません。
患者さんとの会話では、漫画のナオミ先輩が言ってる通り、食べたり飲んだりできないことを伝えるのがベストです。様々な言い方がありますが、一つ注意が必要なのはdrinkの意味。通常の会話ではアルコールを飲むことに使われるので、”Please don’t drink.”だと「アルコールを飲まないでください」と捉えることができてしまいます。

“Please don’t drink water.”では、水じゃなければジュースなら飲んでいいのかなと思う方もいるかもしれないので、「水分」を意図したければ”fluids”を使ってみましょう。

たとえば、”You can’t have food after 9p.m.., but you can have fluids up to 6a.m.(21時から絶食ですが、6時までは水分摂取可能です)”などです。

最近イギリスでは“Sip to Send”という取り組みが始まり、手術や処置直前まで”sips”なら飲んでもOKになりました。sipは、ほんのちょっとの水分を意味し、小さなスプーンくらいのイメージです。この程度の水分摂取は処置に影響が無いという根拠からです。患者さんに説明する時は、職場の決まりに沿って説明しましょう。

次回もお楽しみに!
きうい きうい

ロンドンでナースエジュケーターをしています。instagramでは日本とイギリスでの看護師経験を比べたり、医療英会話について、多様性や自分らしくいること、メンタルヘルスやマインドセットについて等、様々な発信をしています。不定期でライフコーチや英会話レッスンも行っています。

ソファちゃん ソファちゃん

絵を描く看護師です。
SNS上にイラストや漫画を載せています。

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