#01_緩和ケア病棟での初めての出会い②

公開:2025.02.18

緩和ケア病棟での初めての出会い ナースライフミックス 連載「別れの場所で出会うこと」
みなさん、緩和ケア病棟って知ってますか?
病気そのものに対する治療ではなく、病気のつらさをコントロールしながら日常生活を送ることを目的とした病棟です。
ここでは「お別れ」も多く経験しますが、その一方で、さまざまな患者さんの人生観、価値観、希望との「出会いの場所」でもあるんです。
そんな緩和ケア病棟で働く私が、ここでの出会いの話をお届けします。

第1回目は、私の原点となった「緩和ケア病棟での初めての出会い」のお話です。

<ここまでの話>
>>緩和ケア病棟での初めての出会い①

一般病棟を出たばかりの私の心の中は治療をしたら症状が少しでも改善するのではないかと言う気持ちがあった 点滴を始めてみるのはどうでしょうか そうだね 初めての肝性脳症だし今回は点滴治療をしてみようか 排便コントロールはお願いします 医師や他の看護師を交えたカンファレンスで肝性脳症の治療をしてみることになった
治療一つ一つもこうやって医師とカンファレンスして決めていくんだなぁ 点滴治療や排便コントロールをするとAさんの意識は少し改善 Aさん意識がちょっと戻ってきたからいろんなお話ができるかもしれない ところが・・・痛い・・・意識が戻ると苦しそうな表情をして苦痛を訴えることが多くなったAさん Aさんどこが傷みますか?ここが痛いですか? 薬もなかなか効かなかったためタッチングする事も多かった タッチングとは 患者の体に手を当てたりさすったりして痛みや不安を和らげ信頼関係を築く小児医療や終末期医療で重要な看護技術の一つ
タッチングを時間をかけてできて嬉しいし効果も感じる・・・!改めて思うけどタッチングって大切だなあ でも本人にとって苦しい期間を伸ばしてしまっただけだったのかな・・・私が点滴治療はどうかと提案してしまったからかもしれない 一般病棟とは違うんだから積極的に治療を進めるべきではなかったのかも 私は本当に大切にすべきことを見失ってたのかな・・・Aさん・・・しんどい思いをさせてごめんなさい

>>第3話へ続く。

原作:よん
漫画:てらいまき
よん よん

緩和ケアの知識や大切さを知ってもらいたくInstagramを開設。イラストレーターとしても活動している。趣味は旅行、買い物、食べること、ダイビング

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