看護師が辛いのはなぜ?他職種(消防士・運転士・ドライバー・CA)と比較して見えた“4つの理由”
公開:2026.05.20
そう言われるたびに、「うん、まあ…」と言葉を濁してしまうこと、ありませんか?
大変なのは確かなんだけど、うまく言葉にならない。
言語化できないまま、「でも感謝される仕事だから」とか「夜勤明けに時間ができるし」とか、気づいたら自分で自分の辛さをフォローしてたりして。
そこで今回は、他の職種と比べながらナースの辛さを見てみようという企画です。この記事では、看護師が辛いと感じる理由を他職種と比較しながら整理していきます。
「あ、これって似てるかも」という共感もあれば、「いや、ここはやっぱりナースだけだな」という発見もある。そんな気持ちで読んでもらえると嬉しいです。
看護師の辛いアレコレ、実はこの仕事に…似てる!?似てない!?
①夜勤・不規則シフトの辛さ──ナース vs 電車運転士
<ここが似てる!>
電車運転士の勤務形態は、「泊早番」「日勤」「泊遅番」と毎日バラバラで、仮眠を挟みながら24時間勤務をこなして、そのあと連休——というサイクルを繰り返しています。出勤時間が日によって全然違うので、体内時計は常にどこかずれた状態が続きます。
この感じ、ナースにはすごく馴染みがあるんじゃないでしょうか。「今日は何曜日だっけ」が口癖になってきたら、もうすっかり交代制勤務の住人です。「電車は1分でも遅らせられない」という時間への緊張感も、申し送り前のあの空気に通じるものがある気がします。
ナースの声
<でも、ここが違う>
運転士はダイヤという「決まったレール」の上を走ります。次に何が起きるか、ある程度は見通せます。
でもナースの夜勤は、何が起きるか読めません。急変が起きやすいのは深夜帯で、担当患者さんは日勤より多くなることも。「落ち着いてますね」と思った矢先に、ナースコールが続く——そういう夜が、確かにあります。
ダイヤという「決まったレール」を持てない分、ナースの夜には独特の緊張感がずっとついてまわります。
ナースの声
「不規則さ」は似ていても、「予測できない緊張が続く夜勤」はナース特有かもしれません。
②立ちっぱなし・身体への負担──ナース vs 配送ドライバー
<ここが似てる!>
配送ドライバーの仕事は、長時間の運転に加えて重い荷物の積み下ろしが繰り返され、腰への負担が蓄積していきます。腰痛はドライバーの職業病ともいわれていて、「腰が限界」という話はよく聞きます。
看護師も、体位変換・移乗介助・長時間の立ち仕事で腰への負担が日常的に続きます。ある調査では看護師の8割が腰痛に悩んでいるデータもあるほどで、「腰痛持ちなんだよね」がナースの共通語になっていたりします。
ナースの声
<でも、ここが違う>
ドライバーが運ぶのは荷物ですが、看護師が動かすのは人です。
体重60〜80kgの患者さんを、ベッドから車椅子へ、トイレへ、浴室へ。荷物と違って、患者さんは毎回動き方が違い、力のかかり方も読めません。「せーの」のタイミングがずれたとき、腰への負荷がどこに集中するか——経験のある方なら、あの感覚がわかると思います。
さらに、感染対策をしながら介助する場面も少なくありません。動きにくい状態で丁寧にケアしなければならない、あのもどかしさも、ドライバーの重労働とはまた別の大変さです。
ナースの声
身体を使う大変さは共通していても、「人を相手にしながら動き続ける肉体労働」は、ナース特有の負担といえそうです。
③精神的プレッシャー──ナース vs 消防士
<ここが似てる!>
消防士は、人の生死に直面する現場に繰り返し向かいます。凄惨な現場での強いストレスは「惨事ストレス」と呼ばれ、消防庁でも対策が進むほど深刻な問題です。
ナースも、急変・看取り・深刻な診断の告知への同席——こうした経験は、じわじわと心に積み重なっていきます。「人の命に関わることが仕事」という重さは、消防士とナースに共通する部分です。
ナースの声
<でも、ここが違う>
消防士は、出動すれば全力を尽くし、戻れば一度区切りがつきます。非番の日はしっかりオフになり、気持ちを切り替える時間があります。
ナースは、休憩室でご飯を食べながらも「さっきの患者さん、大丈夫かな」とふと気になってしまう。夜勤明けで帰宅しても、「今夜のメンバー、あの患者さんのこと把握してるかな」とふと考えてしまう。
「仕事を切り替えられる人が羨ましい」と思いながら、でも「切り替えられないのは、それだけちゃんと向き合ってるからかな」と思い直したりもする——そんな複雑な感じ、ありませんか。
ナースの声
命に関わる重さは同じでも、「それが日常として続くこと」は、ナースならではのしんどさかもしれません。
④感情労働の辛さ──ナース vs 客室乗務員(CA)
<ここが似てる!>
CAは「感情労働のプロ」ともいわれます。どんなに疲れていても、理不尽なクレームを受けても、笑顔とサービスを保ち続ける——その大変さは、さまざまな場面で語られてきました。
ナースも感情労働者です。不安や怒りをぶつけてくる患者さん・ご家族を、内心どんな気持ちでも受け止めながらケアを続けなければならない場面は、日常的にあります。
ナースの声
<でも、ここが違う>
CAの感情労働は、主に「笑顔とサービスを保つ」ことです。
一方でナースの感情労働は、もう少し複雑な側面があります。
たとえば、患者さんに怒鳴られても穏やかに対応した直後に、別の患者さんの処置へ向かう。ご家族の不安を受け止めてから、ナースステーションに戻る。
こうした場面が一日の中で何度も続き、気づかないうちに消耗していく——そんな感覚に覚えがある方も多いのではないでしょうか。
「引きずらないようにしなきゃ」と思いながらも、うまく切り替えられない。でもそれは、それだけ相手に向き合っている証でもあるのかもしれません。
ナースの声
感情を使う仕事は他にもあるけれど、「ケアと感情が同時に求められる働き方」は、ナース特有の難しさといえそうです。
まとめ:ナースの辛さって、やっぱり重なってるんだな
他の職種と比べてみると、「夜勤の辛さ」「身体への負担」「精神的プレッシャー」「感情労働」。どれも、それぞれの仕事に共通する大変さがあることが見えてきました。
みんな、それぞれの場所で、それぞれのしんどさを抱えながら働いている。それはきっと間違いありません。
ただ、ナースの特徴は、これらが同時に重なってくること。
夜勤明けの疲れた身体で重い介助をして、感情をフルに使いながら、それでも気持ちのどこかで患者さんのことを考えている——そんな日が、当たり前のように続いていきます。
看護師の辛さは、どれか一つではなく「重なり続ける構造」にあるのかもしれません。
「なんでこんなに大変なんだろう」と思う日も、「でも、なんかやめられないな」と思う日も、きっとどちらも本音。
この記事で、ひとつでも「あー、わかる」と思える瞬間があったなら嬉しいです。
今日もお疲れさまでした!
●執筆:朝倉ゆき
Nurse Life Mix 編集部です。「ライフスタイル」「キャリア」「ファッション」「勉強」「豆知識」など、ナースの人生をとりまくさまざまなトピックスをミックスさせて、今と未来がもっと楽しくなる情報を発信します。
