患者さんとのコミュニケーションで大切なことは?

公開:2024.07.10

こんにちは!看護師の四季です。

連載企画「看護師四季のナース手帖」では、看護師のみなさんからよくいただく質問や相談にお答えしていきます。

第11回目は「患者さんとのコミュニケーションで大切なことは?」というご相談にお答えしたいと思います。

患者さんとのコミュニケーション

みなさんは患者さんとお話をするときに、何を意識していますか?
意識しなくても自然と会話が弾むときもあれば、接するときに悩んでしまうこともあると思います。私も最初は患者さんにとって、一番いいコミュニケーションの取り方はどういう方法かな、とたくさん悩みました。
今回は、患者さんに接するときに、意識できるとより良いコミュニケーションとなるヒントをお伝えしますね。

①患者さんの”今”の状態を理解しよう

患者さんは疾患の症状によって疲れやすい状態であったり、治療の影響で気分が優れないことが続くなど、さまざまな状態が考えられます。また入院によって気持ちがナーバスになることや、手術前などで不安がとても大きくなることもあります。
そのため、患者さんの現在の状態を理解し、自分がその状況だったらどう接してもらいたいかな、とイメージしてみてください。そうすることで、患者さんの今の気持ちに寄り添って接することができます。
私が新人看護師の頃、入院してすぐの患者さんを対応したところ、ものすごくそっけなくてびっくりしたことがありました。私の何が悪かったのかなと考える日々。すると数日後、患者さんの症状が良くなり、「入院したときはすごく苦しくて余裕がなかった!」と教えてくれたことがありました。それからは、常に患者さんの”今“の状態を念頭においてコミュニケーションをとることを大切にしています。

②優しい表情を意識してみる

つい忙しいと、患者さんに用件だけ伝えがち…になっていませんか?私も振り返ると業務に慣れずにいっぱいいっぱいになっていた時期は、余裕がなかったなと反省します。
患者さんにとって、病院は特殊な環境で、行動も制限されているので、お家で過ごすことと比べると、ストレスは溜まりがち。そんな中、一番接する相手である看護師にそっけなくされてしまう、もしくはそんなつもりがなくとも忙しそうな感じを出してしまうと、ネガティブな想いを抱いてしまう可能性が高いです。
患者さんにとって看護師は身近な存在であるので、お話しするときは優しい表情の方が安心します。患者さんと良好な関係が築くためには、看護師の表情がすごく大切だと思います。

③約束したことを忘れずに

良好なコミュニケーションをとるには、一つ一つの信頼の積み重ねが大事です。
もし患者さんにお願いされたことや質問されたことがあったら、忘れずにすぐにメモをしましょう!つい忙しいと後回しにしていたことを忘れがちです。
患者さんも催促はしたいものの、「看護師さんは忙しそうだし」と遠慮して、言えないでいることが多いです。
そのため、まずはメモして、もし勤務時間内に対応が難しいときは、患者さんに伝え、次の勤務帯の看護師にも申し送りをしてくださいね。

患者さんの対応について解決できないときは、カンファレンスで相談!

自分一人でコミュニケーションについて考えて対応できることもあれば、どうしても難しいこともあると思います。そういうときは、カンファレンスで他の先輩に相談してみましょう。カンファレンスのいいところは、よりいろんな先輩の意見が聞けることです。そこで、自分が思い付かなかったことや、新たな視点に気づくことができます。
私も悩んだときはカンファレンスで相談しますが、皆それぞれ視点が様々でいつも勉強になります。
みなさんが患者さんとより良いコミュニケーションをとれますよう、応援していますよ!

四季 四季

東北大学医学部保健学科看護学専攻を卒業後、同大学の大学院医学系研究科を修了。看護師、保健師。看護師として病院に勤務しながら、看護師YouTuberとして新人看護師や看護学生を対象とした看護の勉強に役立つ動画などを配信。YouTube登録者数は11万人を超え、動画の再生回数は5,000万回を超える。わかりやすく、視聴者のためになる配信は人気があり、SNSの総フォロワーは約17万人。著書に「看護師1年目の教科書(KADOKAWA)」。MENSA会員。

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