#05 34歳受験生 運命の看護学校合格発表
公開:2023.06.22
合格発表当日。運命の12時
合格発表の日は、仕事の休み希望を出し、いつも通り家事をして午前中過ごしていました。12時にインターネット上で発表です。11時55分。ドキドキしつつ、パソコンで学校のホームページを開きます。
まだ合格発表のページはありません。時間が来ればトップページにそのページへのリンクが出ると聞いていたので、すぐにリロードして開くことが出来るように準備をして、背筋を正し、その時を待っていました。正直、現代文の手ごたえが全くなかった事もあり、グループディスカッションと個人面接はいけた気がしましたが、合否は全く予想がつきませんでした。
そして、12時になりました。
ドキドキしながらホームページをリロードし、現れた合格発表のページ。80名くらい受験していて、今回何人合格になるかもわからないため、本当に見当もつかない状態でした。受けた枠ごとに番号が記載されていました。
大学・短期大学自己推薦枠2名、社会人自己推薦枠3名、施設長推薦枠1名の計6名の合格者の受験番号が書かれていました。
施設長推薦枠は私だけでした。内心、1回の受験で合格するのは無理かなと思っていたので、本当にびっくりしました。
喜びはまず、応援してくれた夫と職場に
まずは応援してくれていた夫へすぐに電話をかけました。嬉しすぎて泣きながら電話をかけました。夫もとても喜んでくれました。
その後、職場に連絡を入れて報告しました。事務長、リハビリ科の医師、主任理学療法士に報告をしました。皆さん喜んでくれました。あちこち連絡を入れて気が付けば1時間近く経っていたように思います。
実感もないけれど、本当に合格したんだ、すごい倍率だっただろうに、看護師になれるんだ私、と本当に嬉しかったです。
子供達に報告。「凄いなあ看護師さんになるんかぁ」
一番最初に帰宅したのは中学生の長女でした。玄関で靴を脱いでいる時に、玄関に行かず、部屋の中から「今日さ、合格発表があってさ、80人近く受験してたのに合格したの6人だったわ。施設長推薦なんて13人中1人だったわ」とまず言いました。
娘はきっとこれを聞いて駄目だったなと思ったと思います。私も合格、不合格わからないような言い方をしてしまいました。普通に伝えるのじゃ面白くないと思ったからです。
そしたら娘が「そっか~凄いんだね看護学校って」って返事をしました。「そうみたい。凄い狭き門みたいやわ看護学校って。でもママ合格だったけどね!」って玄関まで行って伝えると、娘はびっくりして、嬉しすぎて、泣いてしまいました。
ちょっと意地悪したなと後から思いましたが、泣いて喜んでくれた娘を見て私も泣きました。下二人はまだ小学生で、合格したことを伝えたら「ママおめでとう~」ってあまりよく分かっていないけど、合格したからおめでとうだなという感じで喜んでくれました。
「ママさ、看護師さんになる学校行って、3年後には看護師さんになるんやで」と言ったら「へ~凄いなあ看護師さんになるんかぁ」って。
入学手続きで湧いてくる合格の実感
浮かれて喜んでいたのもつかの間です。合格発表があった翌日、書留が届き、書類が色々と送られてきました。
まずは1週間以内に入学金を振り込むことになっていて、振込用紙が入っていました。前期の学費、施設利用料も期日までに振り込むようにと書かれていました。お金関係の手続きの書類と、入学式の案内等が入っていました。
入学金30万円、前期の学費や施設利用料の準備をして振り込みました。職場の病院が学費を出してくれる事になっていたのですが、合格してから具体的に契約書を交わす事になっていたため、その契約もしました。3年間の学費と施設利用料合計240万円は病院が出してくれました。
手続きをしていくうちに、春から学生になるのだという実感がじわじわと湧いてきました。
そして、スタートラインに立った
後に同じく社会人から看護学校へ入学したクラスメイトの話を聞いてみると、私はスタートラインに立つまでの期間がとても早く、受験を決めた5月頃から合格発表まで5か月程度しかありませんでした。
スタートラインに立つまでの期間は人それぞれ違っており、中には3年、4年と長きに渡り頑張ってきた人もいました。何はともあれ、スタートラインに立ちました。
セカンドキャリアに看護師を選択し、家族を説得、学校選びから、オープンスクールへの参加、受験勉強に受験、合格発表と、たった5か月ではありましたが、とても内容の濃い、凝縮された5か月だったように思います。
人生の中で、看護師になりたいと、一度も思った事がなかった私が、この数か月で看護師になりたいと思い、看護師になるためのスタートラインに立てた事はとても嬉しいし、達成感がすでにありました。
しかし、35歳で入学する事はとても覚悟のいる事ですし、勉強がもともとそれほど得意でもなかったため嬉しい反面、不安な気持ちも正直ありました。でも、もう後戻りは出来ない、ここまで来たら看護師になるしかない、そう思いました。
そんな不安な気持ちを義父が和らげる一言を言ってくれました。「入ったら出るだけ。頑張って」。そうか、入ったら後は出るだけだ!そう思ったら少し気が楽になったことを今でも覚えています。