#04_食べたい思いに寄り添う②|舌がん末期の患者さんと“食”をめぐる緩和ケアの話

公開:2025.09.10

食べたい思いに寄り添う。緩和ケア病棟での出会いの話をお伝えするエッセイ漫画の表紙
みなさん、緩和ケア病棟って知ってますか?
病気そのものに対する治療ではなく、病気のつらさをコントロールしながら日常生活を送ることを目的とした病棟です。
ここでは「お別れ」も多く経験しますが、その一方で、さまざまな患者さんの人生観、価値観、希望との「出会いの場所」でもあるんです。
そんな緩和ケア病棟で働く私が、ここでの出会いの話をお届けします。

第4回目は、「もう自分の口から食べられないかもしれない」──そんな舌がん末期の患者さんとの日々の話。
食事はただの栄養補給ではなく、「生きる楽しみ」そのものでもある。だからこそ、どうにか「食べたい」と思う気持ちに応えたい。そう願ったスタッフたちの、小さな試行錯誤の記録です。

<ここまでの話>
>>食べたい思いに寄り添う①

食べる楽しみを支えるアイテム

Dさんがゼリーの摂取を楽しみにしている様子が描かれる。言語聴覚士が紹介した、口が狭くても使える便利な摂取アイテムが登場。口腔内の評価を受けた後、自分の口からゼリーを飲むことができたDさんが笑顔を見せる。
一時的にゼリーの摂取ができていたDさんだが、再び状態が悪化。口の開きがさらに狭くなり、痛みも強くなったことでゼリーの摂取も難しくなる。食べたいという気持ちはあるが、現実とのギャップに看護師が葛藤する。
食事摂取量の低下により点滴治療を行っていたが、Dさんの希望で中止。痛みや不快感を避けたいという強い意志を受け止めながら、カンファレンスで再び「食べること」について相談するチームの様子が描かれる。

>>第3話へ続く。

原作:よん
漫画:てらいまき
よん よん

緩和ケアの知識や大切さを知ってもらいたくInstagramを開設。イラストレーターとしても活動している。趣味は旅行、買い物、食べること、ダイビング

Share
FacebookTwitterLine
ページのTOPへ