#06 【手術室看護師の1日】特定看護師の働き方【脳神経外科専門病院】
公開:2023.07.05
私の連載企画「手術室看護師の気になることを大解剖!オペ看ラボ」では、オペ看のみなさんが知りたいけど、なかなか知ることができないリアルなオペ看のことを紹介していきます。
今回のテーマは、「手術室看護師の1日」についてお送りします!
「手術室看護師」と一言でいっても、沢山の働き方があります。
- 他のオペ看のお仕事はどんな感じなんだろう?
- 専門病院の働き方は…?
- 手術室看護師としてスキルアップしてみたい…。
- 特定看護師の仕事内容はどんな感じなんだろう?
このように、他の病院の手術室看護師のことも知りたい!と思う方も多いと思います。
今回は、脳神経外科手術のことならこの方!Instagramでも活躍されている手術室看護師の松原さんをお呼びしてインタビューをしてみました。
これを読むと、手術室看護師のリアルが覗けるかもしれませんよ!
手術室看護師として17年目、手術看護認定看護師8年目、特定看護師1年目。
新卒で大学病院の手術室に勤務し、脳外科手術の魅力に取り憑かれる。
以降、脳神経外科専門病院で勤務し、日本で唯一の脳神経外科専門病院で勤務する手術看護認定看護師として現場で実践や指導にあたる。
病院外でもInstagramでの発信、出版や連載、セミナー等の活動を行い、病院差や地域差のない手術看護を目指している。
脳神経外科専門病院の手術室看護師にインタビュー!
手術室看護師17年目、手術認定看護師8年目、特定看護師1年目!
後で特定看護師の働き方について色々教えて下さい。
ある特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を有する者として、本会の認定を受けた看護師
[日本看護協会/ 認定看護師(Certified Nurse)とは]
https://www.nurse.or.jp/nursing/qualification/vision/cn/index.html より
【特定看護師とは】
「特定行為に係る看護師の研修制度」によってうまれた名称です。
手順書により特定行為を行う場合は、研修の受講が必要となり、研修を修了した看護師には、患者さんの状態を見極め、タイムリーな対応をすることなどが期待されています。
[日本看護協会/ 特定行為研修制度とは]
https://www.nurse.or.jp/nursing/education/tokuteikenshu/portal/about/ より
多くの方に手術室への興味を持ってもらいたい
その中で好きな手術や苦手な手術ってありますか?
しゅがーさんの受けた覚醒下脳腫瘍摘出術も得意です!
覚醒下脳腫瘍摘出術のこと、色々と教えてもらいました。
本当はとても楽しいのに!
私も手術室の魅力をどんどん伝えていきたいです!
脳神経外科の専門病院!特定看護師の1日は?
【8:15】準備①
外回り看護の準備を行います。
体位や左右によって麻酔器の位置や部屋の作りが変わります。
【8:30】ミーティング
その日の患者さんの情報共有を行います。
開頭手術はおよそ4-8時間かかりますので、緊急がなければ1件/日の担当であることが多いです。
【8:45】準備②
麻酔の準備をします。
指示のあった麻酔の薬品の準備&挿管の準備&麻酔器の始業前点検をします。
【9:00】患者さんの入室
脳外科では特に左右間違いがないように、しっかりと確認しています!
【9:15】麻酔導入、挿管
麻酔科医と一緒に麻酔導入を行い、挿管介助を行っています。
挿管が難しい時は介助としての腕の見せどころです。
特定看護師として、今までよりも挿管困難リスクを考えて行っています。
【9:45】体位固定
外科医や麻酔科医師と一緒に体位固定を行います!
手術室看護師としての褥瘡対策や神経障害対策だけでなく、特定看護師として、呼吸や循環の体位への影響を深く考えて行っています。
【10:00】手術開始
【12:00】麻酔科医師の休憩
麻酔科医師が休憩の間は、外回り看護と麻酔管理を兼務します。
バイタルに異常があれば電話で相談しながら、薬剤投与を行います。
【13:00】休憩
休憩室でも、手術映像やバイタルサインが見えるようになっているので、何か異変があれば駆けつけます!
【16:00】手術終了 麻酔覚醒、抜管
麻酔科医と一緒に覚醒と抜管介助を行います。
特定看護師として、覚醒の仕組みを理論的に考えて、覚醒遅延の原因をより具体的に考えられるようになりました。
【17:00】看護記録、器械洗浄、部屋の清掃
当院は小さい病院で、看護助手も少ないので、器械洗浄や部屋の清掃も看護師が手分けして行います。
【18:00】特定行為実施記録
自身の研鑽の為に、特定行為実施記録を書いています。担当した患者の情報、導入時の薬剤量と反応、挿管の困難度と対応、呼吸器の設定、その他TOPIXをまとめて、今後に活かせるようにしています!
大変そうですが、やりがいがありそうです!
困難な手術を一緒に乗り越えたという達成感
医師との距離感は病棟で働いているよりも近くなりましたね。
これは、困難な手術を一緒に乗り越えたという達成感を共有できるからじゃないでしょうか。
脳外科手術看護って苦手な人が多いかもしれませんが、術野の解剖が理解できるようになれば、きっと楽しくなるはず!
当院では、救急外来も兼務していますので、救急外来で携わった患者さんをそのまま外回り看護師として看護できるのが強みかつ、楽しいところです。
大変なところは、手術が長時間に及び、緊急手術も重なってマンパワーが足りない時に、他部署からの応援に頼れないところかと思います。
病棟で急変が起きたら応援にいけますが、手術看護は専門性が高いために、応援に来てもらえません。
絶対的にマンパワーが重要です!
まとめ
今回の記事では、脳神経外科の専門病院、特定看護師の一日を紹介しました。
特に、特定看護師の働き方を初めて知ることができてとても楽しかったです!
手術看護を極めたい!そんな方は特定看護師の門を叩いてみるのもいいかもしれないですね。
次回もまた他の手術室看護師さんに声を掛けて「手術室看護師の1日を教えて下さい!」と、インタビューをしてみようと思います。
楽しみに待っていて下さいね。
手術室看護師の1日を教えて下さい!」BACK NUMBER
新聞配達・営業から看護の道を目指し社会人で受験、准看護師取得。
だんだん看護が楽しくなり、さらに正看護師資格も取得。
手術室が好き!モットーは「楽しく働けると、看護も楽しくなる!」
Instagramでは手術室看護や看護師のお金の知識を発信中。
R3年に脳腫瘍が発覚。開頭手術、放射線治療、抗がん剤治療を経験。
後遺症で失語症になり、現在はリハビリ中です。