#25 妊娠中の透視の手術、対策はどうしてる?【オペ看201人に聞きました!】

公開:2024.06.25

こんにちは!しゅがーです。 私の連載企画「手術室看護師の気になることを大解剖!オペ看ラボ」では、オペ看のみなさんが知りたいけど、なかなか知ることができないリアルなオペ看のことを紹介していきます。
今回のテーマは、「妊娠中の透視の手術」についてお送りします。

妊娠中の手術室看護師の課題は数多くありますが、その中でも特に透視を伴う手術は難しい問題です。
透視とは、X線を用いて体内をリアルタイムで映し出す技術であり、骨折の整復やカテーテルの挿入といった多くの外科的処置に欠かせないものです。
しかし、妊娠中の看護師にとってはX線被曝について考慮しなければいけませんよね。
では、妊娠中の手術室看護師はどのようにして透視を伴う手術に対応しているのでしょうか…?

妊娠したら、透視を使う手術は?

アンケート結果からも明らかなように、多くの手術室看護師は妊娠中は透視を使用する手術の担当から外れることが多いです。

しゅがー しゅがー
「いつもどおり」の方も、あまり心配しないで下さいね。
【手術室での放射線被爆/特に気をつけるべきこと】
1つ目は,生殖年齢にある女性医師や女性看護師,女性診療放射線技師である.生殖年齢にある女性の実効線量限度は3か月間で5mSv,妊娠期間中は腹部表面について2mSvと低く規定されている.これは,胎児については一般公衆の実効線量限度(1mSv/年)が適用されているためである.しかし,医学的に異常が起こる胎児の確定的影響の値線量は100〜120mGyである.これは胎児の被曝量であり,胎児がこの閾値線量を被曝するには母体腹部皮膚表面にこの閾値の数倍の線量が照射されなければならないので,通常の業務内で胎児が100~120mGyという閾値線量を超える被曝をすることはまずない.
引用:日本麻酔科学会・周術期管理チーム委員会 編著,周術期管理チームテキスト第4版,日本麻酔科学会,2021,p113-114

大丈夫だとは思うけど、ちょっと不安…
そんな方は、師長さんなどに相談してみて下さい。

妊娠中はどんな仕事をしていた?

この記事は、私のInstagramに寄せられたストーリーズやDMのコメントを元に作成しています。
DMの掲載は許可をいただいています。
アンケート期間:2024年6月1日20:00~6月2日20:00
ストーリーズにて質問BOX、DMで回答、回答数は201件

外回り中心

オペ看Aさん オペ看Aさん
透視を使うオペ、術後レントゲンも入りませんでした。
妊娠したら外回り中心になります。
気分が悪くなったら休めるように配慮してくれてました。
オペ看Bさん オペ看Bさん
妊娠中は透視がない術式で、外回りと決まっていました。
眼科(白内障オペなど、早く終わる術式)が多かったので、ひたすら眼科オペをこなしてました。
オペ看Cさん オペ看Cさん
主任で、オペの采配をしています。
基本的に妊婦さんは外回りにつけるようにしています(体調不良・トイレなど、融通がきくので)
術後X線は室外で待機してもらいます。
しゅがー しゅがー
透視のことだけでなく、妊娠中は体調も気になりますもんね。
妊娠していた先輩は、電気メスの匂いで吐き気を誘発されてしまって辛そうでした…。

マニュアル・手技書作成

オペ看Dさん オペ看Dさん
妊娠中はできるだけデスクワークにしてくれてました。(人が足りない時は外回り)
新人マニュアルや術式マニュアルの更新を頑張りました!
オペEさん オペEさん
妊娠中は基本的にマニュアル係になります。(手技書など)
術野に入りたいときもありましたが(笑)
スタッフ皆、大事にしてくれるので感謝でした。
オペ看Fさん オペ看Fさん
透視のない小手術、またはマニュアル更新の仕事。
できることは全力でやります!
あと、スタッフへの感謝!
しゅがー しゅがー
オペをこなすだけでいっぱいいっぱいな時も多いので、マニュアル更新の仕事をしてもらえるととても助かりますね!

術前訪問係

オペ看Gさん オペ看Gさん
術前・術後訪問係。
1日30件くらいのオペ数なので、ひたすら病棟に訪問して記録を書く。
あとは入室・退室のフォロー。
オペ看Hさん オペ看Hさん
整形専門の病院なので、妊娠中はオペに入れません…。
術前訪問、入室の手伝い、人が少ない時は外回りでした。
オペ看Iさん オペ看Iさん
術前訪問係をしていました。
訪問した患者さんはできるだけ入室につくようにします。
他の人の負担にならないように、できることはやるようにしてました。
しゅがー しゅがー
「術前訪問から患者さんの入室まで」という回答が多かったです。
入室の時に術前訪問でお話した看護師がいると、患者さんも安心できますよね。

フリー業務

オペ看Jさん オペ看Jさん
透視有無に関わらず、妊娠したら受け持ち担当を外れます。
フリー業務で、ピッキング、器械展開、麻酔導入のフォローなど。
※ピッキング…手術に使う器械や材料(ガーゼなど)を集めること
オペ看Kさん オペ看Kさん
フリー業務です。
入室や退室の手伝いや掃除、部屋作りをしてました。
オペ看Lさん オペ看Lさん
麻酔導入フォロー、部屋の準備、器械のピッキング。
オペ担当以外の全ての仕事をしていました。
自分で考えて仕事をつくる!
妊娠中はなかなか辛かったですが、対応力が身につきました!
しゅがー しゅがー
フリー業務ってなんでも屋さんになるので、受け持ちとはまた違う大変さがありますよね!

「ありがとう」の気持ちを忘れない!

オペ看Mさん オペ看Mさん
フリーか外回り。
妊娠中、体調などいろいろと配慮してくれて本当に助かりました。
育休が終わったら恩返ししたい。
オペ看Nさん オペ看Nさん
透視なしのオペの外回りです。
妊娠中は他の人も負担になってるのも重々…。
感謝しかないです。
オペ看Oさん オペ看Oさん
マニュアル作成・修正の仕事が多かった。
独身のスタッフに嫌味を言われることもありました。
でも、透視とかできないことはできないので…申し訳ない気持ちです。
でも謙虚に頑張ろうと思います。
スタッフへ「ありがとう」を伝えることも大事なのではないでしょうか。
しゅがー しゅがー
みなさんの回答を読んでいると「申し訳ない」「ありがとう」という言葉が多いと感じました。
フォローする側も、フォローされる側も、「ありがとう」の気持ちを忘れないようにしたいですね。

おわりに

今回は、妊娠中はどんな仕事をしていたのか、みなさんの回答を紹介しました。
妊娠中には透視を使う手術から外れる一方で、マニュアル作成や外回り業務、術前訪問など、さまざまな業務を行なっていることが判明しました!
透視だけではなく、妊娠中の体調などに配慮している手術室が多く、妊婦さんが安心して働ける環境を作っていてほっこりしました。
妊娠中だけでなくお互いを思いやり、楽しく働けるといいですよね!

しゅがー しゅがー

新聞配達・営業から看護の道を目指し社会人で受験、准看護師取得。
だんだん看護が楽しくなり、さらに正看護師資格も取得。
手術室が好き!モットーは「楽しく働けると、看護も楽しくなる!」
Instagramでは手術室看護や看護師のお金の知識を発信中。
R3年に脳腫瘍が発覚。開頭手術、放射線治療、抗がん剤治療を経験。
後遺症で失語症になり、現在はリハビリ中です。

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