看護師向いていないかもしれません…
公開:2024.04.24
連載企画「看護師四季のナース手帖」では、看護師のみなさんからよくいただく質問や相談にお答えしていきます。
第8回目は「看護師向いていないかもしれません…」というご相談にお答えしたいと思います。
もうすぐ五月です
みなさん、新生活二ヶ月目が近づき、疲れが溜まっている頃ではないでしょうか。体調は大丈夫ですか。
この時期は少しずつ、お仕事が増えていきますよね。夜勤が始まる前は平日の月曜日から金曜日まで毎日出勤、そして帰ってからも勉強などやることがあるとなかなか心も休まらない日々が続くのではないでしょうか。
この時期は、「看護師向いていないかも」と悩む方がとても多いです。私もそうでした。そしてその想いはいろんな悩みが重なっているサインではないかなと思うのです。
ということで、今回は「看護師向いていないかも」と思ったときの対処法についてお話ししますね。
①まずはとにかく身体と心を休める!
身体に疲れが溜まると、ネガティブな思考になってしまいます。私は何かと悩む&ストレスを溜め込みやすいので、日々悩みが尽きないタイプなんです。だけど、悩んでいるだけでは始まらない!ということで、いろいろ試してみた結果、「寝る」が一番だという結論になりました。まさに今日の朝もネガティブだったのですが、お休みの日だったのでとりあえず横になって寝ていたら、少し心が楽になりました。
特に今は病棟に行くだけでも疲れますし、調べ物などがあると思うので、常に身体は疲れている状態で、心にも余裕がない時期なんです。
まずは悩み事をいろいろおいといて、寝てみましょう!身体と心が休まると、心が落ち着き、いろんなことを少しずつ前向きに考えられるようになりますよ。
②なぜ看護師が向いていないのか、書き出してみる!
漠然と、「看護師向いていないのかな」と悩んでいると、心にモヤモヤが溜まってしまいます。そういうときは、なんでそう思ったか、書き出してみてください。そこに悩みを解決するヒントがあるかもしれません。
例えば日々のお仕事がうまくいかないということがきっかけであれば、今日できなかったことが、明日少しでもできるようにと心がけるだけでも、だいぶ変わりますよ!また、所属している診療科があっていなかったと感じたのであれば、異動希望を出すことを視野に、まずは一日一日を向き合ってみる、という形でもいいですね。病院変えたい!ということであれば、他の病院を調べ始めてもいいと思います。
このように、どのように日々のお仕事にどう向き合うか、という心の方向性を決めることができると、少しずつ心のモヤモヤが消えていきますよ。
③今の環境が看護師のすべてではない!
これは私自身が感じたことなんですが、「最初の職場が看護師業界の全て」だと思い込んでしまいがちなんですよね。そのため、「そこの職場にあっていないと感じる=看護師に向いていないんじゃないか」と考えがちなんです。
だけど、看護師の働く職場はたくさんあります。職場が変わればそこで働いている人たちも変わりますし、診療科が変われば患者さんやよくやる手技や看護ケアも変わります。働く場所によって、例えばクリニックだと夜勤がないといった、働き方も変わります。
もし、今の職場で自信をなくすようであれば、他の職場などどんどん視野を広げていくことをおすすめしますね。
自分自身の心を大切に
もちろん、考えに考えた結果、看護師のお仕事がやっぱり向いていない、やりたくないということもあると思います。そういう気づきもすごく大切だと思いますよ。
自分の人生なので、自分が納得できる生き方をしたいですよね。
また、最初は向いていないかなと思っていたお仕事も、続けていくうちにやりがいを見つけることも。私は手術室看護師になったとき、この仕事できるようになるんだろうか…と不安しかなかったのですが、次第にやりがいを感じたこともありました。
ずっと悩みを抱えていると、日々のお仕事が辛くなってしまうので、自分と向き合って思い描く未来へ向かうために今を過ごせるといいですね。応援していますよ!
東北大学医学部保健学科看護学専攻を卒業後、同大学の大学院医学系研究科を修了。看護師、保健師。看護師として病院に勤務しながら、看護師YouTuberとして新人看護師や看護学生を対象とした看護の勉強に役立つ動画などを配信。YouTube登録者数は11万人を超え、動画の再生回数は5,000万回を超える。わかりやすく、視聴者のためになる配信は人気があり、SNSの総フォロワーは約17万人。著書に「看護師1年目の教科書(KADOKAWA)」。MENSA会員。