#12 器械出しのコツ【オペ看196人に聞きました!】
公開:2023.10.20
今回のテーマは「器械出しのコツ」についてお送りします!
手術室看護師の器械出しは重要なスキルのひとつです。
…ですが、これ、とても難しいんです!!
1件の手術で膨大な数の器械を管理し、適切なタイミングで適切な渡し方をしなくてはいけません。
一朝一夕にはいかないんです。
さて、一体どうすれば器械出しが上手になるのでしょうか…。
参考書には書いていない器械出しのコツ、手術室看護師の先輩方に教えてもらいました!
DMの掲載は許可をいただいています。
アンケート期間:2023年8月23日10:00~8月24日10:00
ストーリーズにて質問BOX、DMで回答、回答数は196件
器械出しって何?
たまに言われるこの言葉。
「器械出しって、先生に言われたものを渡すだけでしょ?」
器械出し:手術中、医師に手術器械を手渡す仕事
・器械展開(清潔に器械を開け、整理整頓をすること)
・器械カウント
・器械台の管理
・手術器械を医師に手渡す
・清潔野での検体の管理
ざっとあげてみましたみましたが、沢山ありますよね。
特に難しいのは、器械台の管理や器械を渡すタイミングです。
手術器械を指示される前から次に何が必要になるか予測します。
手術のペースを落とさず円滑に進めるため、術野の流れを読み、適切な状況判断が必要なんです。
オペ看196人が回答!器械出しのコツ
皆さんに紹介しますね。
準備が9割!
器械だけでなく、必要な資材(ガーゼ類など)が足りているかも確認しています。
「術野には必ず1枚ガーゼを置いておく。更に血液などで汚れたらすぐに交換できるように待機ガーゼを手元に置いておく」を酸っぱく言われて育ちました(笑)
まずは何が足りなかったのか、振り返りをするといいと思います。
準備は9割だと言われています。
器械展開〜終執・ドレッシングまでのオペを想像して、何が必要なのか考えるといいかと。
忘れ物がないか、資材は十分足りているのかなど、まずはしっかり準備するようにしましょう!
指に濡れガーゼを巻き付けておく
術野から返ってきた器械は、血液などを拭いてキレイにします。
その際のコツを教えてもらいました!
かなり時短になります。
特に開腹オペや出血が多めのオペは必ず準備します。
「ガーゼを取る」→「拭く」だったのが「拭く」だけになるのでかなりスムーズになりますよ(^^)
とても便利ですよね。
良ければ参考にしてみて下さいね。
器械の整理整頓
刃物は刃物、鉤は鉤、鑷子は鑷子、まとめて置けば迷子にならない。
毎回同じ場所に置くようにしてます。
交代してもらう時も申し送りがやりやすい。
基本ですが、できない人が多いです。
器械カウントが遅い人はこれが原因。
最初は紙に書いて、どこに何を置くか考えてました。
ペアで使うものを覚える
一緒に使う器械を覚えるといいです。
先生の好みによるのでメモ必須。
基本のペアが分かると応用がききます。
私もいつも怒られてました(涙)
でも、慣れてくると反射で出せるようになりますよー!大丈夫!
オペレコを見る
オペレコとは、医師が書く手術記録のことです。
手術の流れと、その時に出した器械を思い出して振り返りしています。
スタンダードな手順ではなく、イレギュラーがあった場合は早めに医師に聞いて「何が欲しかったのか」を質問します。
ただ、基本的な解剖が分からないと理解できないかも…。
最初は解剖図を見ながら読んでました(笑)
たまーに「手術施行す」だけの時もありますが(笑)
私も解剖の本を見て解読してました(笑)
ちょいちょい英語(ドイツ語…?)で書かれたりしているので、読むのも難しいですよね…。
しゅがーの器械出しのコツ
私は準備の段階で忘れものが多かったので、対策として「忘れがちなものをリスト化」していました。
器械出しをする前にチェックすると、忘れ物がかなり減りましたよ!
おわりに
今回は器械出しのコツについて、皆さんのアドバイスを紹介しました。
手術室看護師1年目の方も、器械出しが慣れてきた頃でしょうか?
「いつも怒られる」「何回もやっているのに、上手にならない…」
そんな方も多いですよね。
私も1年目の時は器械出しが苦手で、やりたくないと思っていました。
でも、先輩方のアドバイスをもらって段々成長できるようになりました。
“得意”ではないですが、“楽しく”器械出しができるようになったんです!
もし良かったら、参考書には載っていない「手術室看護師のリアルな声」、是非参考にしてみて下さいね!
新聞配達・営業から看護の道を目指し社会人で受験、准看護師取得。
だんだん看護が楽しくなり、さらに正看護師資格も取得。
手術室が好き!モットーは「楽しく働けると、看護も楽しくなる!」
Instagramでは手術室看護や看護師のお金の知識を発信中。
R3年に脳腫瘍が発覚。開頭手術、放射線治療、抗がん剤治療を経験。
後遺症で失語症になり、現在はリハビリ中です。