#01 38歳で看護師になりました
公開:2023.04.19
更新:2023.04.26
子供3人、猫2匹、看護師になるまで転職5回
私は今44歳で看護師7年目。夫と子供3人、猫2匹と一緒に生活をしています。夫とは20歳の時に学生結婚して、今年で結婚25周年。子供は長女が22歳、長男が20歳、次女が17歳です。早くに結婚し、22歳からの5年間に子供達が生まれ、30歳になるまでは、在宅で仕事をしていたので、20代は社会経験があまりありません。
その中でも色々と自分なりに家計を助けるために試行錯誤して仕事をしていました。看護師になる前は、リハビリ助手のパートをしていましたが、それ以前は転職を5回繰り返し、全く医療とは無縁の仕事ばかりでした。幼稚園の先生になりたくて通った短大でしたが、学生結婚をしたため、夢は諦めて、卒業後は高校生からアルバイトをしていたマクドナルドに就職、その後1人目を出産しました。
その間に家で出来る仕事と、年に8回だけのTOEICの試験管のアルバイトをしていました。私の中での女性の生き方のイメージは、キャリアをある程度積んでから結婚、出産、子育てというもの。
でも、私の現実は全く違っていて、結婚、出産、子育てをしながら自分がこれからどう生きるのかを悩み、焦り、ただ出来ることを模索するしかなかったといった感じです。
看護師を続けて7年。インスタグラマーとしても活動
自分なりに色々な経験と出会いを重ね、紆余曲折しつつ、2017年に38歳で看護師になりました。看護師としてのここまでの経験や今の状況を簡単にお伝えすると、新卒で就職したのは慢性期の病院。医療療養病棟に配属です。
その病棟はADL全介助の寝たきりの患者様ばかりの病棟でした。同級生が一般病院の急性期に就職して、どんどんスキルを身に付ける中、慢性期の医療療養病棟でスキルや知識が身につくのかと不安ではありましたが、働いてみて思った事は、どこでも学びたいという気持ちがあれば学べるという事でした。場所がどこであれ、看護の本質は変わらず、慢性期であろうが、急性期であろうが、どこでも学べる、経験は積める事がわかりました。
5年半その病院で勤務し、その後、総合病院の医療療養病棟へ転職しました。普段は病棟看護師をしていますが、看護学生時代から始めたインスタグラムで勉強したノートを投稿し、インスタグラマーとしても活動しています。フォロワー数は5万人を超えて、沢山の方に見ていただいています。
その中で、看護師の大変さ、看護学生の苦労、精神的な部分で何かサポート出来ないかと、相談に乗ったり、インスタライブでは一緒に考えたりという活動も行っています。今後も一緒に勉強し、少しでも看護が楽しいと思える看護師が増えるような活動をしていきたいと思っています。
丁寧で前向きな看護の先に見つけた次の夢
7年の経験の中で、私が看護師として大事にしている事は「丁寧な看護」。どんなに忙しくても、丁寧に看護する。これは当たり前のことなのですが、つい、忙しいと忘れてしまったり、経験年数が上がると、基本を飛ばしてしまったりしがちなので、観察はもちろん、丁寧な看護を心がけています。また、勤務中は、出来るだけ自分も、一緒に働くスタッフも嫌な気持ちになる事がないように、明るく、楽しく働けるように心がけています。
とはいえ、看護師の仕事は大変で、命を預かる仕事ですから、笑ってばかりもいられません。笑顔でいれない時でも、、気持ちは前向きに、その場が明るくなればいいなと思いながら働いています。今後は病棟勤務を続けながら経験、知識もさらに増やしながら、この先の夢に向かっていきたいと思ってます。
それは看護学生や新人看護師の教育に関わることです。看護業界では、教育に携わる人がいますが、実際現場は忙しく、例えば新卒育成の看護師も、普段の業務と並行して行っています。看護学校の先生も、学生指導を実習でしつつ、授業も担当されますから、忙しい中行っているかと思います。
そこで、看護師の指導を専門にする、指導が好きで、愛を持って学生さんや新卒の看護師さんに教育をしたいという人ばかりを集めた派遣会社があればいいなと思っています。また、看護学生さんが、授業や実習でわからない事があったけれど、聞くことが出来なかったり、自分で調べてもわからなかった時、帰りに立ち寄れるスクール、塾みたいなものが出来ればいいなと思っています。学生だけでなく、新卒看護師や、現役看護師向けにも、同様のスクールがあれば、自由に立ち寄ってわからないことを一緒に解決でき、時には悩みの相談にも乗れる環境を作る事が出来れば良いなと考えています。
セカンドキャリアとして看護師を選んで
私は子育てや転職を経て、遅くに看護師になりましたが、看護師になって良かったと心から思っています。私の性格的に、どのような仕事であっても、きっとやりがいを感じて働くことができると思うのですが、看護師の仕事の尊さや、やりがいが他では得られないものでした。
もちろん大変なことの方が多いかもしれませんし、命を預かるので、緊張やストレスも桁違いです。それでも、やりがいの方が上回っていますし、給与面もこれまでの仕事に比べると良いです。夜勤をしていると、夜勤入り、夜勤明けという日があり、家庭を持っていると、家事の時間にも余裕ができて良いです。
35歳で看護師目指して
今回、私はこれから、35歳で入学した看護学生時代のことを連載で書いていきたいと思います。
なぜ学生時代のことをテーマに選んだのか。その理由は、私のように子育てをしながら、子育てが一段落してからの自分の生き方を考えて、セカンドキャリアに看護師の道を考える方に、私の経験を知ってもらいたかったからです。
私の時もそうでしたが、子育てしながら看護師になられた方の話はインターネットで探すと見つけられるのですが、受験勉強はどうやっていたのだろう、看護学生になってから、家庭との両立はどうだったのか、年齢が自分よりかなり下の同級生と仲良くなれるのか、等知りたい事にたどり着けない事が多かったです。
子育てをしながら、30代、40代でも看護師を目指して、看護師になる事ができるというリアルな話をもっと知りたいなと思っていました。これから目指される方がいたら、少しでも、私の話が参考になればいいなと思います。また、看護師を目指したいと頭をよぎったけれど、自分は無理だとあきらめている方、くすぶっている方にもこれを読んで、ぜひチャレンジしてもらえればいいなと思います。
現役から看護師になるというのはもちろん素敵なことですが、社会人を経験して、または子育てを経験して、もしくは両方経験して、人生を色々と経験した方が看護師になるというのは、現役の方にない魅力があると思います。ですから、ぜひ沢山の人に、セカンドキャリアとしての看護師の生き方を知ってもらいたいという思いを込めて、今回35歳で看護師を目指した看護学生時代のことを書こうと思いました。
35歳のあの時、子供達はまだ小学生・中学生で、大変な時期でした。結婚後、妻の私がほぼ家事と子育てを担っていたので、その妻が学生になり、家事はどうなるのか、子育てはどうなるのかと夫も大変不安だったかと思います。家族に看護師を目指そうと思うことを伝え、短大以来勉強していなかった十数年ブランクのある状態で勉強し、看護学校を受験、合格し、看護学生になってから看護師になるまでの大変な日々、乗り越えた経験などをこれからリアルに綴っていきたいと思います。