#07 違和感だらけの看護学校生活

公開:2023.08.17

更新:2023.09.01

違和感だらけの看護学校生活

同級生は子供と同じ世代の18歳

看護学校のクラス40名のうち20名が高校卒業したての現役生18歳。残りの20名は社会人経験者や大学卒業者など。よく社会人で看護学校に入学すると、現役生たちと馴染めなくて、孤立してしまうというお話を聞きます。私の場合、現役生達の年齢が、自分の子供の年齢に近かったこともあって、普段接している世代でした。

そういう事もあって、流行なども知っており、それほど敷居が高いという印象はありませんでした。私自身は敷居が高いという印象を持たれにくいと思っていますが、現役生達が私に対してどのような思いを持っていたかはわかりません。年上で近づきにくいと思われないようにと、気さくに声をかける、掛けてもらえるような雰囲気を出す、下の名前で呼んで親近感を高めるなどしていました。

後は、社会人ぶったり、年上ぶったりする事にも気を付けて上から目線で話をしないように心がけていました。そのおかげか、皆とすぐに仲良くなれました。授業ではグループワークもありましたし、実技練習のグループも現役生と一緒になりましたが、和気あいあいと仲良く助け合っていたと思います。

同じ社会人看護学生とは同盟を組む

社会人学生の同じ年代の同級生とは、すぐに打ち解ける事が出来ました。唯一の同い年のさっちゃん、入学前から偶然アメブロを読んでくれていたちえちゃん、入学後すぐに声を掛けてくれたちかちゃんと4人でお昼ご飯を食べたり、一緒に行動する事が多かったです。

それ以外に、別の社会人グループがあって、そこと合体して勉強をする事もありました。私が一番年上ではありましたが、皆しっかりしていて、ちづちゃんって気さくに呼んでくれて、辛くて泣きそうになった時に話を聞いてくれたり、一緒に勉強を頑張ってくれたりしてくれました。

課題が多すぎて大変な時は手分けしてやったり、休んだ人がいたらノートやプリントを見せるなど、暗黙の了解で同盟のようなものが出来ていました。

看護学生仲間4人
社会人看護学生グループ4人

授業がこんなに大変なものだったとは

久しぶりの学校生活です、授業を最後に受けたのは短大の時だったと思うので、15年ぶりです。授業は1コマ90分、朝9時10分から始まって午前中に2コマ、午後から2コマで16時半までというスケジュールでした。

まず、90分間じっとしているという事が久しぶりでしたが、こんなにつらくしんどいものとは思いもしませんでした。そして、授業の先生によってはお茶を飲んではいけないという授業もあり、それを知らずに普通に授業中にお茶を飲んで注意されました。また、教科書を出し忘れて後ろのロッカーに黙って立って取りに行って注意された事もありました。

仕事をしている時は、声を掛ければトイレにも行けましたし、黙ってじっとしているという事はありませんでしたから、90分じっと授業を聞くという事がこんなに大変なもので、それが1日4コマ、月曜から金曜まであるという事に慣れず、最初の1か月は苦痛でしかたなく、帰ったら疲労困憊でした。

仲間意識を高めるための1泊2日の研修合宿へ

入学して2週間くらいした時に、山の家での研修合宿がありました。目的は仲間意識を高めるというものだったと思います。事前にグループが発表されて、当日に向けて、様々な学習や課題に向けた取り組みをしました。

正直、行くまでは面倒に思えましたし、あまり気のりしなかったのですが、これも授業の一貫なので行くなら楽しもうと気持ちを切り替えて参加しました。

2日間、全てをグループワークを行う合宿です。まず、着いてすぐ始まったのが野外調理活動。事前にメニューを決めて、買い出しも済ませていました。時間内に調理をし、先生に食べてもらって、片づけまで行い、、点数をつけてもらうという課題です。

他にもソフトバレーボール、創作ダンスの発表等もあり、総合優勝チームは最終日に表彰してもらえるという課題でした。調理活動では、ローストビーフ、焼きおにぎり、豚汁、ホットケーキを手際よく7人で分担して作りました。予定時間内に片づけまで終わったのは自分のチームだけで、先にロッジに戻って休憩していました。

その後ジャージに着替えて体育館集合でソフトバレーボール。なんとこちらも優勝してしまいました。こうなったら創作ダンスも頑張らないとということで、曲を選ぶところから始まって、30分で創作ダンスを考える。選んだのは皆知っているマツケンサンバ2。

夕食後のキャンプファイヤーで発表することになっていましたので、夕食後の余っている時間で、グループで再度集まってダンスのおさらい。噂でほかのグループがクオリティが高いという事を聞いて、何か他と違う事をやらなければと、突然組体操を入れる事になり、7人で組体操をやってみたのですが、大人って組体操出来ないのかな…。見事に出来ず、他己紹介を取り入れる事になりました。

そして、いよいよダンスの発表を行い、私のグループのみ創作ダンスで、ほかのグループは既存ダンスのコピーだったことから先生から褒められました。その後35歳の私としては、早く寝たかったのですが、現役生の女の子達が私の部屋に集まってくれて、語る会が始まりました。眠くて途中寝そうになったけど、女の子達が高校で部活を頑張っていた話などを聞いたりして深夜に解散となりました。

2日目も講義もありつつ、表彰の時間に。私のチームが総合1位になり優勝しました。とっても楽しい2日間だったことを今でも覚えています。皆との距離も断然行く前より縮まって、本当に良い研修合宿でした。

看護学校の合宿
山の家での研修合宿

少しずつ大変になる日々。苦しくて涙が出るように

学校生活が始まって、研修合宿にも行ってなんとなく、ふわふわしたままGWになって、連休明けから夏休みまで少し期間がある1学期。技術系の授業も5月6月から始まって、放課後残って練習もしなければいけないし、座学の課題も沢山出て、小テストもあったりして、だんだん毎日の生活が大変になってきました。

目の前の課題をこなすのにやっと、学校に来たら一瞬で1日が終わる、やってもやっても減らない課題と、練習してもうまくならないシーツ交換、体位変換。胸が詰まるような感覚が出始めて、辛いね、しんどいねって、話をクラスメイトとすると、涙が出る人も増えてきました。

覚悟して入った看護学校、社会人で、大人で、母親なのに、人一倍時間がない状況で、同じ様にこなさなければいけない状況に、私も泣いてしまった日もありました。

一人じゃない、皆も一緒だから頑張れる

入学してからすごいスピードで毎回授業は進み、勉強量もとても多かったです。身に付けなければいけない技術、やるべき課題、毎日時間に追われている感覚でした。

授業が16時半に終わったら、人一倍ダッシュして16時36分の電車に乗れるように走る日々。子供達との時間も大事だったから、一刻も早く帰りたかったのです。授業が終わって振り返ったら私がいつもいなかったと、良くクラスメイトから言われました。

授業が終わる数分前から静かに片付け始め、ダッシュしていたからです。技術練習がある日はあらかじめわかっていたので、帰ってから家事を楽にするためにある程度朝のうちに片づけて登校するなどしていました。

その当時小学生だった一番下の娘とは、メールでやり取りをしていて、娘が帰宅したことを確認するために、家に帰ったらメールを送るようにお願いしていて、そのメールに返事をしてから練習に参加したりしていました。

でも、1人でこれらをこなしているわけではなく、勉強も、技術練習も、いつもクラスメイトがいる。私だけじゃない、3年後、全員で看護師国家試験に合格して卒業しようという目標を持った仲間がいてくれたからこそ頑張れました。大変なこと、辛い事が多ければ多い程、クラスメイトとの距離は縮まり、一体感が出てきたように思います。

ちづ ちづ

家庭あり子供3人の主婦が38歳で看護師になりました。
セカンドキャリアに看護師を選んでこの春で7年目。
毎日勉強しているノートの投稿が中心のインスタグラムのフォロワー数は5万人越えです。

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